★訪問販売編3 イエス話法に気をつけよう
悪徳訪問販売対策としては、
1)ドアホンが鳴ったら、まずは『どちらさまですか』と声をかける
2)相手が家族・友人・知人以外だった場合は、必ず『どのようなご用件でしょう』と声をかける、
というのが基本です。
しかし、実際にはこの基本だけで悪徳商法の被害が防げるとは限りません。
そこで、ここでは消火器の訪問販売を例に、あなたが『どのようなご用件でしょう』と声をかけたあとの、セールスマンの対応について研究してみましょう。
★セールスマンの対応
悪徳商法の訪問販売セールスマンで『どのようなご用件でしょう』と聞かれて『消火器の訪問販売です』と答える相手はいません。いろいろともっともらしい事を言ってなんとかドアを開けさせようとしてきます。
これが未熟なセールスマンだと、『ただいま、この地区のご家庭の消火器の無料点検に廻っておりまして…』などと猫なで声やオドオドした調子で言ってくるものですから、たいていの方は、怪しいな!と感じて、『うちは結構ですから』と断り、被害に遭うのを防ぐことができます。
しかし、ある程度やり手のセールスマンともなると、言葉や態度も自信たっぷりで堂々としていますし、相手を信用させる話術も研究していますから、簡単に見破るのは難しくなってきます。ですから、相手の使うテクニックを知って、それに対処する方法を身に付けておかなくてはなりません。
★セールスマンの基本テクニック『イエス話法』
やり手セールスマンの基本テクニックの1つに『イエス話法』というのがあります。これは、言葉の最後を、相手に『イエス=はい』と言わせるような質問形式にして、会話を自分のペースにもっていくやり方です。
未熟なセールスマンは、言葉の最後を『無料点検に廻っておりまして…』とか『無料点検に廻っているんですよ』などで切るので訪問相手は『うちは結構です』『必要ありません』と断りやすくなります。
やり手セールスマンなら、たとえば『どのようなご用件ですか』と聞かれたら、それには直接答えずに、表札を見て『すみません、こちらは○○さんのお宅ですよね』と切り返してきます。普通はまず『はい』と答えてしまいますよね。それに、相手は自分の家に用事があって来たんだな、と思い込んでしまう場合もあります。
そうして会話の主導権を握ったセールスマンは、『ただいま春の火災予防週間で、ご家庭にある消火器の使用期限を調べているんですけど、こちらは消火器置いていらっしゃいますよね』などとたたみかけてきます。もし『はい』と答えれば、調査を口実に家に上がりこもうとしますし、『いいえ』と答えれば『えぇっ!消火器置いていらっしらないんですか? こちらは防火地域なので云々』などと言って、防災チェックなどを口実に上がりこもうとします。